東北マツダ 北上店
高橋征男店長(左)と平賀翔サービスマネージャー

 東北マツダ北上店(高橋征男店長)は、マツダ純正「車両用クレベリン」の強化に取り組んだ結果、現在、提案に対する実施率が約7割となるなど高い実績を上げている。

 車両用クレベリンは、デンソーと大幸薬品が共同開発した商品で、無人の車室内に濃度を最適化した二酸化塩素を発生させ、洗浄が困難なシートや車室内の除菌、消臭を行う。15分後には99%のウイルス作用を抑制、99%の除菌に加え、臭いが気にならないレベルまで消臭するものだ。

 クレベリンは家庭用で認知度が高く、他のサービス商品と違って女性ユーザーにも提案しやすい。特に消臭は直接効果を実感できるだけに「洗えない車室内シートの除菌」「染みついたタバコ臭、ペット臭の消臭」と合わせて分かりやすく訴求できる。

 同店が車両用クレベリンの販売を強化したのは「ある時、薬品関係のお客様が家庭用クレベリンの効果の高さを話され、これを車で実施すればいいのではという流れになったからです」と、高橋店長。家庭用は車に使用できないため、当然、マツダ純正の車両用を提案することになったわけだ。

 価格は車種によって異なるが3千円から4千円程度。現在、件数は月間60件程で、多い月は100件を超えるが、本格的に件数が増えてきたのは2年前からという。平賀翔サービスマネージャーは「断られた場合、なぜ断られたのか、しっかりと検証することを徹底しました」と、これまでの取り組みを振り返る。ユーザーに喜ばれる商品の提供ということで「商品の内容や効果を分かりやすく諦めずに提案したことが今の実績につながったわけです」(高橋店長)と実施率約7割は現場の提案力という点を強調する。

 洗車とセットも好評で「セットの場合平均8千円以上になりますが、セットで提案すると、ほとんどの人が実施します」(平賀マネージャー)と、車の外をキレイにしたいユーザーは車室内も同様と分析する。

 また、「高除塵」「抗ウイルス」「抗菌・防カビ」「脱臭」「安定風量」の5つの効果を持つマツダ純正「高機能エアコンフィルター」と車両用クレベリンとのセットも車室内を快適に保ちたいというユーザーから高い人気で、セットの場合、工賃も割り引かれる。ただし、決して無理には勧めない。あくまでも的確な交換時期にだけ提案する。「目に見えない商品を販売するには、まず信頼されること」(同)。同店が車両用クレベリンで高い実績を上げているのは、目先の売り上げにこだわらず、本当に必要な時期だけしか提案しないなど、顧客と店舗との信頼関係によるところが大きい。「車両用クレベリンを起点に2次、3次の効果が出てきています」(同)と、他の商品などへも波及しており、車両販売への期待も高まる。

 車両用クレベリンは他の作業と並行して対応でき、作業効率を低下させないこともディーラーにとって利点だ。

 安心して外出ができない状況が続いている中、車室内は安心していられる空間。ここにフォーカスした商品に対する注目度は高い。

(営業企画)