クラレのオンライン展示会ブース

 新型コロナウイルスの感染拡大で中止になった技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2020横浜/名古屋」の代替策として、サプライヤー各社がバーチャル展示会を検討している。クラレが出展予定だった新製品をホームページ上で動画や資料を用いてすでに提案しているほか、旭化成やTDKなどもオンライン上での公開を予定する。国内最大規模の技術展示会の中止で自社技術を発信する場が失われたものの、デジタルツールを通じて新しい商談機会を創出する狙いだ。

 新型コロナのまん延を受け、自動車技術会(寺師茂樹会長)は、人テク横浜、名古屋両展示会の中止を発表した。例年、合わせて約900社が出展するこの展示会は、サプライヤーにとって最新技術を披露する恒例の場になっており、「非常に残念」(三井化学)との声が挙がっていた。

 人テクに代わる提案機会として、サプライヤー各社は独自の開催方法を模索し始めた。その一つがインターネット上でのバーチャル展示会だ。

 クラレは20日から約1カ月間、オンライン上で自社展示会を開催する。同社として初の取り組みだ。製品の画像や商品説明に加え、説明員が隣で解説しているような動画も合わせて公開し、実際の展示会に近い形とした。製品を手に取れないデメリットはあるものの「今まで接点がなかった顧客へのアプローチの機会になれば」とウェブゆえのプラス効果を期待する。

 TDKも7月初旬から専用ウェブサイトを設置するほか、アルプスアルパインや旭化成もオンライン展示会の検討を始めた。明電舎と小糸製作所も独自に自社での展示会や見学会を予定しており、方法は今後詰める。

 緊急事態宣言下で企業活動におけるテレワークが進み、サプライヤー各社も完成車メーカーとのやり取りなどを対面からウェブを介した手法に移行している。クラレは「反響次第ではオンライン展示会を今後も開催したい」考え。アフターコロナでの新しい提案方法としてバーチャル展示会が根付く可能性もありそうだ。