公正取引委員会は7月16日、下請代金支払遅延等防止法(下請法、現・中小受託取引適正化法)違反で、バスや鉄道車両向けシートなどを手掛ける天龍工業(吉川德雄社長、富山県富山市)に再発防止を求める勧告を行ったと発表した。下請事業者24者に代金の減額や金型などの無償保管を行わせていた。
同社は事業者14者に対し、2024年11月から25年9月までの間、下請代金から「調整部品」の名目で計544万5240円の支払いを減額した。自社の原価低減が目的。下請法では、受注者に責任がないのに発注時に定められた代金から一定額を減じて支払うことを禁じている。公取委は同行為が下請法の違反行為である「下請代金の減額」に該当するとした。
また、事業者11者に対しては、遅くとも24年10月以降、1年以上発注を行わないにも関わらず、金型や治具など187個を無償で保管させていた。公取委は、同行為が下請法の違反行為である「不当な経済上の利益の提供要請」に該当するとした。
富山県に本社を置く事業者への勧告は、下請法の施行以来初めて。公取委によると、同社は今年6月22日までに、減額した代金を全額返還したという。金型などの保管費用については、支払いの協議を進めている。同社は勧告を受け「真摯(しんし)に対応し、再発防止に取り組む」とした。
公取委中部事務所の奥村正和取引適正化管理官は「現場まで違法性の認識が浸透していなかったということに尽きる」とコメントした。
なお、下請法は今年1月に取適法に改正されたが、本件は取適法施行前の違反のため、下請法が適用される。


















