トヨタ自動車は3月31日、燃料電池(FC)事業を展開するダイムラートラックとボルボ・グループの共同出資会社である独セルセントリックへの出資で基本合意したと発表した。出資金額や比率は非公開だが、トヨタ、ダイムラー、ボルボの3社は「対等な持分比率をもとに協力関係を強化する」とする。大型商用車向けのFCシステムの開発と生産を目指す。
セルセントリックは2021年に設立。大型トラック向けFCシステムの開発や生産、販売を手掛けている。独やカナダに拠点を持ち、最高出力375キロワット(約500馬力)の次世代FCシステムを開発している。トヨタは電池セルの開発や生産技術などの知見をセルセントリックに提供する考えで、さらなる商品力強化につなげていく。
トヨタはセルセントリックとこれまで取引関係はなく、ダイムラーやボルボとも市場では競合関係にある。一方、膨大な開発リソースが必要な水素領域では、一定の協業により投資負担を抑え、事業規模を確保する必要がある。トヨタの佐藤恒治社長は「世界一の大型商用車向けシステムを提供できると信じている」とする。
FCトラックは、特に大型車の脱炭素化の手段として有望視されているが、普及に向けては高価な車両価格や充てんインフラなどの課題が残る。最大市場の米国ではトランプ政権が環境規制を撤廃するなど、成長が見通せない状況にあり、投資効率を一層高めることが必要となっている。



















