若者はどうして会社に守られていることに気付けないのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(23)

  • 自動車流通・新車ディーラー
  • 2026年3月13日 05:00

自動車販売店では毎日ショールームに立ち、お客さまを迎え、商談し、納車をします。慣れてくるとその一つひとつが当たり前の仕事に思えてくるかもしれません。しかし、少し視点を変えてみてください。あなたが今、立っているその場所は、実は会社という大きな看板に守られている場所だということを。

例えば、あなたが扱っている商品は個人のものではありません。メーカーが長年かけて築き上げてきたブランドです。トヨタ、ホンダ、スズキなどさまざまなブランドがありますが、どこも何十年もの歴史と信頼があるのです。その信頼があるからこそ、お客さまは安心してショールームに来店していただけます。仮に、あなたが今日から無名のクルマを売るとしたら、今と同じように商談が進むでしょうか。

会社はブランドだけではなく、仕組みでもあなたを守ってくれています。研修制度、上司のフォロー、広告宣伝、整備体制、保証制度。万が一トラブルが発生しても個人ではなく、組織として対応してくれます。この安心感の中で仕事ができていることは、実はとても恵まれている環境なのです。

若いうちは、自分の力で成果を出していると思いがちです。もちろん努力は本物です。しかし、その努力が成果につながる舞台は会社が用意してくれています。集客も、信用も、商品力もすべて自分がゼロからつくっているわけではありません。

だからこそ、自分は会社に守られている存在だということを改めて認識してください。守られていることを理解できれば感謝が生まれます。感謝が生まれれば、仕事への取り組む姿勢も変化します。自分が会社の看板を背負っている自覚を持てば、言葉遣いも、身だしなみも、初動対応も変わります。

守られている環境の中で挑戦を続けた人が、やがて会社を守る側に回ります。後輩を育成し、店舗を支え、ブランドに磨きをかける存在になります。

今はまだ守られている立場で構いません。しかし、守られているということに甘えるのではなく、それを力の源にしてください。会社に守られている今こそ、失敗を恐れず挑戦できる最高のタイミングなのです。

さらに言えば、会社に守られている時間には期限があります。いつまでも若手のままというわけにはいきません。守られているうちにどれだけのことを吸収し、どれだけ挑戦し信頼を積み重ねるかで数年後の立場は大きく変わるでしょう。守られている時間を準備期間にするのか、成長時間にするのか、その選択があなたの未来を大きく変えます。

文:株式会社プログレス 江原忠宏

〈プロフィル〉えはら・ただひろ 2006年東海大学電子情報学部卒、同年国産ディーラー入社。営業職、店長を務めるも、17年5月輸入車ディーラーに転職。入社2年目に係長昇進、3年連続で販売優秀者表彰。その後人材育成にやりがいを見出し、20年プログレス入社。「人材を『人財』に」をテーマに活動中。静岡県出身、42歳。

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