ニデックの会計不正疑惑を調査した第三者委員会は3月3日、都内で記者会見を開き、平尾覚委員長は「会計不正の最も責任を負うべきなのは永守氏」と指摘した。有価証券報告書の虚偽記載については「事実と思うが、処分があるのかは分からない」と述べた。
ニデックのトップに長く君臨してきた創業者の永守重信氏の「非現実的な利益目標の設定」と、目標達成に向けた「強過ぎるプレッシャー」、その背景にある人事を含む最終決定権限が、多岐にわたる部門や子会社で相次いだ会計不正の原因と結論づけた。
調査委員会が調査した会計不正は2020年度から25年4~6月期までだが、関連の調査で1990年代には子会社での会計不正が行われていたことを永守氏は認識していた、とした。「会計不正がさかのぼって、いつから行われていたかは分からなかったが、多岐にわたる部門、子会社でかなり以前から行われていたのでは」(平尾委員長)と説明した。
不正件数の概数について記者から質問があった。調査委員で公認会計士の井上寅喜氏は「1000件以上ではないか」と述べた。その後「(不正の数え方は難しく)数字が独り歩きしてほしくはない」と「修正」した。
不正の背景にあるのは、永守氏が設定した実力を無視した非現実的な目標達成に向けた強いプレッシャーだ。業績目標に達していない中、ニデック本社の執行役員が連日会議を開いて、子会社の幹部に対し営業目標未達を責め立て、徹夜してでも目標の営業利益を捻出するよう指示があったという。こうした状況の下で本来処理しなければいけない減損損失を先送りするなどの不正がグループ全体にまん延していった。
「不正の手口は多岐にわたり、子会社の幹部やCFO(最高財務責任者)、本社の経理部門など(不正に手を染めた)人物もさまざま」と話した。不正を主導した特定の人物の存在は否定した。
調査委員会は永守氏本人にもヒアリングを4、5回実施したという。グループの継続的な成長に向けて、事業部や子会社に無理な利益目標の達成を求めてきた永守氏だが「創業40周年を迎えた2013年ごろ『実力以上の目標を達成しようとしていた。少し限界を感じていた』との心情を吐露していた」という。
不正会計による有価証券報告書の虚偽記載は、金融商品取引法の刑事罰となる可能性がある。調査委員会では「調査は不正会計の原因分析と再発防止策を提言するもので、金融商品取引法違反なのかは判断できない」としている。



















