トヨタ自動車やトヨタ不動産などトヨタグループが1月15日から始めた豊田自動織機に対する株式公開買い付け(TOB)について、公開買付者であるトヨタアセット準備(戸田陽社長、東京都千代田区)は3月2日、豊田自動織機に対するTOB価格を1万8800円から2万600円に引き上げ、期間を2日から16日まで延長すると発表した。価格変更、期間延長ともに2回目で、これにより買収総額は当初より1兆2000億円増の約5兆9000億円まで拡大する。また、これまでTOBに反対していたエリオット・インベストメント・マネジメントとは条件付きでTOB応募契約を締結したことも明らかにした。
新たな買付価格は、当初のTOB価格である1万6300円に対して26%、1月14日に価格を上積みした価格に対して10%のプレミアムが付与された水準となる。トヨタ不動産の近健太取締役は3月2日に行ったオンライン会見で「最終かつ最善の価格として引き上げる」と述べた。
豊田自動織機の足元の株価は2万円超の水準で推移している。これまでトヨタ陣営は「対象者の本源的価値を反映した価格」として買付価格は変更しない意向を示してきた。
その中で今回買付価格を変更した理由について、近取締役は「TOB公表後、投資家と260回以上の対話をしてきた。その声をわれわれの提案に反映させなければならないこと、さらに織機株価の推移や株式価値の変動などの環境変化も鑑みた」と説明した。
トヨタグループの買収総額は2回の価格変更に伴い拡大している。当初の約4兆7000億円から約5兆4000億円、今回で約5兆9000億円に増えることになる。
また、トヨタ不動産とエリオットは3月1日付でTOB応募契約を締結した。新たな買付価格での買い付けに必要な資金借り入れについて、三井住友銀行と三菱UFJ銀行、みずほ銀行から融資証明書を3月9日までに取得することを条件としている。エリオットは7%超の豊田自動織機株を保有している。エリオットは2日、「再増額後TOBは少数株主にとってより望ましい結果をもたらすと同時に、トヨタグループ内、ひいては日本市場全体における持合株式の解消を促進するものと信じている」と声明を発表した。
これらのTOBに関する重要事項の変更を受け、豊田自動織機株主の判断機会を確保するためにTOB期間は3月16日まで延長する。
豊田自動織機は2025年6月、トヨタグループによる買収提案を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。当初は12月上旬を目指していたが、各国の競争法令などに対する法的手続きが遅れ、26年1月15日からTOBを開始。買付価格は従来の1株1万6300円から1万8800円に上積みし、期間は2月12日までとしていた。その後、2月12日に期間を3月2日まで延期すると発表。1株1万8800円の買付価格は維持していた。

















