〈2026春闘〉マツダ・三菱自・ヤマハ発、1回目交渉で満額回答 三菱自は1970年設立から初

  • 自動車メーカー
  • 2026年2月26日 05:00

マツダと三菱自動車、ヤマハ発動機は2月25日、2026年の春季労使交渉(春闘)で労働組合の賃上げ要求に対し1回目の労使交渉で満額回答した。3月18日の集中回答日を待たず結論を前倒しした格好だ。三菱自は1970年の会社設立来初めて。米国関税の影響で業績が悪化する中、早期に「人への投資」を強化する方針を示した。ピラミッド構造の頂点にある完成車メーカーの前のめりな賃上げ姿勢が、ティア(階層)の深い中小企業にいかに波及するか注目される。

マツダは、組合員平均1万9000円の賃上げ要求に対して満額回答した。要求額は過去最高で、満額回答は5年連続。賃上げ率は5.5%となる。賞与も年間5.1カ月の要求に対して満額回答した。

マツダは主力市場の米国の追加関税が業績を押し下げ、25年4~12月期決算では5年ぶりに最終赤字となった。竹内都美子執行役員は同日、本社(広島県府中町)で開いた記者説明会で「昨年を上回る過去最高の処遇改善は現在の経営状況を踏まえると決して軽いものではないが、将来への覚悟と社員への信頼を示す必要があると考えた」と述べた。

早期に回答した理由について、竹内執行役員は「今後進める厳しい構造改革をやり切るためにも、労使が同じ方向を向くことが不可欠である」と説明した。賃金交渉を早期決着し、2回目の労使交渉では米国関税など課題解決に向けた協議を始め、地域のサプライチェーン(供給網)維持に向けた議論も進める。

三菱自は、賃上げ(総額)は1万8000円で、賃上げ率は月例賃金ベースで5.1%。賞与は年間5.0カ月とした。満額回答は3年ぶりとなる。25年度は中期経営計画の最終年度で、三菱自は「早期回答し、労使が同じ方向を向き足元の業務に集中できる環境を整える」とした。

ヤマハ発も1回目の労使交渉で満額回答した。満額回答は2年ぶり。賃上げ要求は総額1万9400円で、内訳はベースアップ(ベア)に当たる「賃金改善分」が1万3000円、定期昇給に相当する「賃金制度維持分」が6400円で、ベアは過去最高となった。年間賞与は5.3カ月とした。前年実績と比べると、賃上げ額は同水準を維持した一方、賞与は0.7カ月分減少した。

また、賃上げに合わせて年間休日数の増加についても労組が要求していた。26年の会社カレンダーで休日を1日増やすことで合意した。同社は「心身のゆとりを確保し、生産性向上と働きやすい職場づくりを進める」とコメントした。

今後の労使交渉では職場や働きがいの向上などをテーマに議論していく。

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