公正取引委員会(公取委)は2月20日、下請代金支払遅延等防止法(現・中小受託取引適正化法)に違反する行為があったとして、日産東京販売(菊地文夫社長、東京都品川区)に再発防止を求める勧告を出したと発表した。板金塗装やタイヤ交換を委託する車体整備事業者25社に対し、事故車などを無償で運搬させていた。公取委が修理車両の無償運搬で勧告を出すのは初めて。
故障車の修理を委託する際は、本来であれば委託元のディーラーが運搬にかかる費用を負担する必要がある。日産東京は、遅くとも2024年8月から25年7月までの間、車体整備事業者に2808台の車両を無償で運搬させており、同法の「利益提供要請の禁止」に違反する。一部事業者には、修理時の部品も無償で運送させていた。
公取委は、これらの費用に相当する額を支払うことや再発防止のための社内体制整備などを日産東京販売に勧告した。同社は勧告を受け「ご心配やご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げる。本来の対価をお支払いするべく、順次協議・調整を進める」とコメントした。
販売会社と車体整備事業者の取り引きをめぐっては、違反行為が相次いでいる。2025年にはスズキ自販大分(屋代進也社長、大分市)と福岡ダイハツ(内山邦彦社長、福岡市博多区)が、板金事業者に無償で代車を提供させていたとして勧告を受けた。公取委と中小企業庁が25年末に公表した調査では、社名公表を行わない指導に該当するケースは160社にも上った。
公取委の唐澤斉上席取引適正化検査官は「(年末の)集中調査でも同様の事例があり、業界の慣習だったとも聞いている。今後は業界団体に中小受託取引適正化法の周知、啓発を行いたい」と述べた。


















