第51回衆議院選挙で、自民党が単独で3分の2を超える316議席を獲得し「絶対安定多数」となった。自動車業界では通常国会冒頭の衆院解散・総選挙となったことで、自動車税・軽自動車税の環境性能割廃止など、税制改正関連法の遅れを懸念する声が広がっていたが、与党が国会運営の主導権を握り、早ければ4月にも施行される見通し。高市政権が推進する「責任ある積極財政」によって円安が進むとの観測が強まっており、自動車・部品メーカーは今後の為替動向を注視することになりそうだ。
2月8日に投開票された衆院選で、自民党はひとつの政党として獲得した議席数が戦後最多となり、歴史的勝利となった。高市早苗首相の安定した政権運営が見込まれる中、自動車業界にとって当面の焦点となるのが予算や税制改正関連法の動向だ。
政府・与党は来週にも特別国会を召集して衆参両院で首相指名選挙を実施、組閣して3月に2026年度当初予算案や税制改正関連法の審議に入ると見られる。与党は17ある国会の常任委員長ポストのすべてを獲得し、委員数も過半数を超えることになり、国会運営を主導できるため、審議はスムーズに進む見通しだ。
総選挙前、自動車業界では、衆院の冒頭解散の影響で、26年度の当初予算や税制改正関連法の年度内成立が遅れ、環境性能割の廃止やエコカー減税の延長、軽油引取税の暫定税率の廃止がずれ込むことや、与党が敗北した場合の政策変更などを懸念する声もあった。
与党の歴史的勝利となったことで、早ければ4月下旬に26年度当初予算と税制改正関連法が成立する見通し。環境性能割や軽油引取税の暫定税率の廃止については、混乱を避けるため、暫定予算を組んで対応することも検討される。
一方、為替などの市場変動による企業業績への影響も注視される。高市政権の積極的な財政政策は円安を加速させたが、与党の圧勝となったことで為替市場では円の売り圧力が一層高まる。
円安が加速すれば、自動車や部品を日本から輸出している企業にとっては為替差益となって恩恵も大きい。国内の自動車メーカー、部品メーカーが相次いで公表している25年4~12月期業績もすでに円安が営業利益の増益要因になっている。
ただ、国内の自動車メーカーや部品メーカーでアジアや中国、韓国などの海外から部材を輸入しているケースもあり、円安が収益を押し下げる面もある。輸入車事業者(インポーター)は円安の加速で、輸入車の値上げを迫られる。
与党の圧勝によって、国内新車需要を喚起する自動車関連税制の見直しが確実となり、自動車業界も安堵するものの、為替市場の動向には神経をとがらせることになりそうだ。
(編集委員・野元 政宏)


















