スズキは5月14日、2027年3月期の営業利益が前期比8.5%減の5700億円になりそうだと発表した。2年連続の減益となる。販売は好調だが、原材料価格の高騰が利益を押し下げる。中東情勢の緊迫化による影響は営業利益見通しに盛り込まなかったものの、現時点では年間1000億円規模の影響額を試算している。
26年3月期決算は、売上高が過去最高の6兆2929億円となったものの、営業利益は主にインドでの原材料価格の上昇により4年ぶりの減益となった。
26年3月期の四輪車世界販売は同2.4%増の332万台だった。インド市場は同3.7%増の186万2000台で、過去最高を更新。物品・サービス税(GST)の減税による旺盛な需要を取り込んだ。
国内も同1.0%増の72万5000台と好調を維持しており、2年連続で70万台を超えた。このうち登録車が16万8000台を占め、過去最高となった。
ただ、営業利益は同3.1%減の6229億円となった。販売台数増が574億円、売上構成変化が522億円の増益効果をもたらしたが、原材料価格の高騰が850億円の減益要因となった。人的投資や研究開発費も積み増した。
27年3月期の世界販売は、355万4000台(同7.1%増)とした。国内は73万台(同0.8%増)に設定した。インドでは計50万台の生産能力を持つ新ラインを稼働させ、拡大する需要のさらなる刈り取りを急ぐ。鈴木浩一常務役員は「インドの生産能力は年290万台に増加する。需要の伸びに対して生産が追いつかず取りこぼしていた分を、なんとか販売に結びつけていきたい」と話した。
中東情勢の悪化による影響は「影響期間の前提を置けないほど不透明」(鈴木俊宏社長)として、業績予想に反映しなかった。リスクが顕在化した場合、通期で1000億円規模の影響があると試算している。
鈴木社長は「世界でエネルギーに対する考え方が見直され、車の使われ方も変化していく可能性がある」と話す。余波についても「国内では顕在化しているのが、車両メンテナンスへの影響だ。オイル交換や車検が上手く対応できないことも出てくる可能性があると思う。変化にどう対応していくか、『朝令朝改』くらいのスピードで対応していかないといけない」と危機感を示した。
(2026/5/14更新)



















