トヨタ、仕入れ先との連携強化で「チャイナスピード」に対抗 過去最高レベルの生産性向上を

  • 自動車メーカー, 自動車部品・素材・サプライヤー
  • 2026年3月26日 05:00

トヨタ自動車は、競争力強化に向けて仕入れ先との連携を強化する。部品品番の削減や形骸化していた開発ルールを見直すことで生産性を向上させる。仕入れ先は生み出されたリソーセス(経営資源)を新技術開発などに振り向ける。トヨタが警戒するのは「チャイナスピード」で競争力を高める中国新興メーカーだ。サプライチェーン(供給網)全体で「生産性の向上」と「新しい価値の創造」の好循環を生み出し、世界的な競争を勝ち抜く構えだ。

同社は3月25日、都内で「グローバル仕入れ先総会」を開き、国内外の仕入れ先484社、幹部733人が集まった。次期社長の近健太執行役員は、激変する事業環境の中で「トヨタの競争力基盤は明らかに弱くなっている」と危機感をあらわにし、「競争力基盤を立て直し、『トヨタの強さ』を取り戻す」と力を込めた。

佐藤恒治社長も「自動車産業は生き残りを懸けた戦いのさなかにいる」と述べた。米国の追加関税に加え、半導体やレアアース(希土類)調達の地政学リスクなど、自動車産業を取り巻く環境の不透明感は増している。海外では中国新興メーカーがシェアを拡大しており「気を抜けば日本の自動車メーカーはすぐに足をすくわれてしまう」と危ぶむ。

新興メーカーの武器は圧倒的な開発スピードとコスト競争力だ。これに対抗するため、トヨタは「今までにないレベルの生産性向上」(佐藤社長)の実現を掲げる。車両開発や生産では、ソフトウエアの種類やパワートレインの組み合わせを大幅に削減する方針を示した。仕入れ先に対しては、生産性向上で生まれた余力を新たな価値創造に転換し、各社の専門性を生かした提案を求めていく。

仕入れ先総会では、サプライチェーンの競争力強化の取り組み事例を紹介した。顧客のニーズ対応に影響が及ばない範囲で車両仕様の組み合わせを削減したり、生産設備導入でデジタル技術を採用し開発期間を短縮するなど、足元では仕入先と協調した取り組みを進めている。

同日、記者団の取材に応じた熊倉和生調達本部長は「(仕入先との)『本気・本音』の対話はまだ十分ではない。腹を割って一緒にやっていくことはまだまだある」と話した。仕入れ先の「困り事」を共有化し、無駄や非競争要因を排除することで、さらなる生産性向上を図る。中国新興メーカーをベンチマークとしながら「自社の部品なり設備がどのような位置付けにあるのか、それをしっかり把握していかないと勝っていけない」と述べ、仕入れ先約6万社による“総力戦”で競争力を積み上げていく方針を示した。

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