ルネサスエレクトロニクスは、IoT(モノのインターネット)向けチップなどを手がけるフランスのシーカンスコミュニケーションズの買収を中止すると発表した。ルネサスでは、東京国税局から日本税務に関して不利益裁定を受領したためとしている。

 ルネサスはシーカンスを買収するため、普通株式を1株当たり0・7575㌦、米国預託株式を1株当たり3・03㌦で昨年9月から公開買い付けを開始した。シーカンスとの基本合意書では、買収に伴って課税所得の計上と納税が必要と国税当局が裁定した場合、基本合意書を解除できるとしていた。

 ルネサスではシーカンスの買収を中止しても、高成長市場向け技術革新を続ける戦略への影響は軽微としている。