人の移動や物流が集中する年末年始に向け、札幌運輸支局は、管内の運輸事業者に車両の整備や運行管理の自主点検を促す「年末年始の安全総点検」を実施している。特に脱輪事故が多発している現状を踏まえ、タイヤの点検やナットの増し締めの徹底を強く呼び掛ける=写真。

 安全総点検は年末年始に毎年実施している取り組み。今年は12月10日~来月10日まで展開する。11日にジェイ・アール北海道バス手稲営業所を訪問した札幌運輸支局の奥名正宏支局長は、タイヤナットの緩みや締め忘れがないかなど車両の状態を重点的に確認。人や車の動きが活発になる年末年始を前に「自主点検を一層強化し、安全運行を確固たるものにしてほしい」と呼び掛けた。

 タイヤ脱落による事故は全国的に相次いでいる。青森では12月1日、走行中の大型トラックから脱落したタイヤによって道路保全工事を行っていた作業員の男性が死亡する事故が発生。国土交通省は、トラック運送業界などに対し、ホイール・ナットの緩みを確認するよう緊急指示を出した。道内でも10月に札幌市で走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、4歳の女の子に衝突する事故などが発生。11月には道警が運輸局に呼びかけて合同での街頭検査を実施するなどしている。

 札幌運輸支局管内では11~13日までの3日間、バスやタクシー会社など6社に立ち入り検査を行った。

 道運輸局によると、全道では鉄道や船舶会社を含め、計79事業所を現地確認する。