アルプスアルパインは、中国籍の元社員が不正競争防止法違反の容疑で警視庁に逮捕されたと6日までに発表した。自動車の電子制御に関する先端技術などを同社から不正に持ち出した疑い。元社員が退職後、社内システムがデータの不審な動きを検知し、データを持ち出した可能性が浮上したという。

 元社員には、2021年11月に宮城県内にあるアルプスアルパインの研究開発施設において、企業秘密である車載機器の設計データをコピーするなどして持ち出した疑いがかかっている。警視庁公安部によると、元社員はその後、ホンダに転職し、転職先で該当データを利用しようとした可能性があるとして捜査を進めている。

 アルプスアルパイン広報部は「情報管理体制について検証を行い、問題があれば見直しを検討する」とコメントした。また、従来からの情報セキュリティの定期点検や従業員などに対するコンプライアンス(企業統治)教育も続け、情報管理のさらなる強化を図る。一方、ホンダは「捜査に協力しているため、詳細は答えられないが、5日に社員が逮捕されたのは事実だ」とコメントした。