グローバルマーケティング部 出倉 妃香里氏

 ―オールシーズンタイヤ「セルシアス」の販売動向は
 「SUV向けで6サイズを発売したのが2019年、翌20年には乗用車向け13サイズを追加し、昨年は商用バン向けが加わった。さまざまな車種に対応し、サイズが加わったことで準降雪地域を中心に堅調に推移している。セルシアスの特徴である、オールシーズンタイヤ用の特殊なコンパウンドの使用、夏性能と冬性能を両立したトレッドパターンの採用といった独自の工夫が受け入れられていると考える。しかし、スタンダードなタイヤになりつつある欧米市場の販売動向と比較すると、国内販売はまだまだ伸びしろは大きいと見ている」

 ―今後も一般ユーザーの認知度向上は課題だ
「オールシーズンタイヤの性能や特徴を正しく理解して頂いた上で、突然の降雪に対し、慌てて準備する必要がないこと、また、交換タイヤの保管場所がいらなくなるといった利便性の高さを訴求していきたい。降雪・積雪の状況にもよるが、国内では準降雪地域の都市部やその周辺で大きなメリットを感じてもらえると期待している」

 ―訴求活動で大切にしていることは
 「しっかりした冬性能を持ち、かつ、夏タイヤに迫る性能を持つことを、まず、販売店のスタッフに体感頂き、オールシーズンタイヤというものをユーザーに丁寧に説明頂くことが大切だと考える。そのため、発売以来、販売店向けの勉強会や研修を積極的に行っている。さらに、昨年、ドライブシミュレーターにオールシーズンタイヤ装着時の設定を加え、バーチャルでその性能を体感して頂く試みを始めた。ドライ路面での安定性やスノー路面での安心感を知ってもらうことでユーザーへのアピールも高まる」
 「そのためにも、住んでいる場所や使用状況の聞き取り、ユーザーの理解と納得をいただくことが大切。仕事や家族の送り迎えに毎日クルマを使わなくてはいけないドライバーなど、ライフスタイルに合わせた提案が有効だと考える」