タイヤ国内リプレイス営業本部 販売企画部 田中 覚氏

 ―オールシーズンタイヤの販売動向は
 「順調に市場は伸長しており、2019年の乗用車用「AS1」発売以来、商用車用「VA1」、タクシー専用モデルも拡充させ、オールシーズンタイヤカテゴリーの販売量は10倍にも達している」

 ―好調の要因をどうみる
 「何より交換不要という利便性の高さと、経済合理性が認知されてきたことだと考える。都市部やその周辺、非降雪地帯においては、メンテナンスの負担が少なく、保管場所もとらないという商品特性が、ファミリー層や女性ドライバーに大きなメリットとして感じていただいているようだ。興味関心度の高い若年層のユーザーをターゲットとした拡販活動が奏効し、われわれも十分手応えを感じている。今後もさまざまな層に対して訴えていきたい」

 ―さらなる拡販で重要になることは
 「発売以来、順調に販売を伸ばしているが、既存のカテゴリーと比較すればニッチ商品と呼ぶべきもので、まだまだ伸長の余地はある。プロモーション活動で商品特性の認知を高めることをはじめ、販売現場ではどの様なセールストークが有効であるかを追求していきたい。動画も使って、雪上やウエット時の走行特性を十分に理解してもらうとともに、凍結路面で使用する際はスタッドレスタイヤを使用する事など、使い方に応じた商品提案が大切だと考える」
 「また、今年1月には関東を中心に突然の降雪に見舞われた。そうした時の状況を想起してもらうことで、急な天候の変化でも対応できる便利で安全な全天候型タイヤだと理解していただけるだろう。生活や仕事において、どうしてもクルマの使用が不可欠という人に、こういう商品があると伝えていくことが大切になる」

 ―具体的な拡販策などは
 「一部のレンタカー会社では『体感キャンペーン』を実施している。ウェブでオールシーズンタイヤ装着車の予約ができるというもの。ユーザーだけでなく、レンタカー事業者側にもメンテフリーのメリットが実感してもらえるチャンスで、伸長の可能性を秘めていると考える」