花壇自動車大学校(角川重博理事長・校長、仙台市青葉区)は、1987年式の三菱自動車「ジープ(J53型)」をフルレストアした「花壇ジープ」を展示する。ボディークラフト科の有志11人がプロジェクトチームを立ち上げ、学生のアイデアを取り入れながら、オリジナルに近い状態で誰もが運転しやすいジープに仕上げた。ベース車両のジープは、前オーナーがワンオーナーで所有してきた思い入れのある車だ。学生たちは、前オーナーの想いを胸にレストアに取り組んだ。

 ベース車両のジープは、「知識を学んで自分の車をメンテナンスしたい」と同校への入学を希望した77歳(当時)の男性がワンオーナーで所有してきた。体力的な問題から入学には至らなかったが、免許を返納する時にジープを寄贈。同校は大切に保管し、今回のレストアが実現した。

 レストアでは、フレームとボディーを分離。ボディーは、フロアやリアフェンダーに穴が開いている状態で、錆びた部位は全て学生が再生した。フレームは、腐った部位を補強や修正を行った。ブレーキランプの取付部など入手が困難な外装部品は、学生が鋼板を手作業で板金加工して新たに制作。ヒーターなど内装部品も再塗装して、見た目の美しさにこだわった。

 プロジェクトチームのリーダーを務めるボディークラフト科の橋場猛さんは「誰でも乗れて、街中を快適に走ることができる車にします。車高のリフトアップの高さやボディーの塗色は皆で話し合って決めました」とコンセプトを語る。

 花壇ジープのボディーカラーはソリッドのホワイトで仕上げ、足回りをリフトアップして個性を演出した。デカール類は、授業で学んだエアブラシの技術を駆使して再現。快適に運転できるよう、電動パワーステアリングを移植し、4スピーカーのオーディオも装備する。

同校は、20年に「スプリンタートレノ(AE86型)」、21年に「ユーノスロードスター(NA系)」をフルレストアして出展。新車当時を知る年齢層から若い世代まで、幅広い層から評価を受けている。