独リリウムが開発する「リリウム・ジェット」。東レは20年7月に炭素繊維複合材料の供給契約を締結した

「10年も経てば自動車向けを超えているかもしれない」―。東レの吉永稔取締役専務執行役員が炭素繊維複合材料事業の成長ドライバーとして期待する新産業が「空飛ぶクルマ」だ。炭素繊維複合材料事業は現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて主力の航空機向け市場が急激に落ち込んでいる。材料置換が進むと大きな期待を抱いていた自動車向けも量産車への適用は一向…