約2500km離れた場所から自動運転車の遠隔操作に成功―。

 ソニーとNTTドコモは、ソニーとヤマハ発動機が開発した低速自動運転車「SC-1」とドコモの第5世代移動通信規格(5G)を活用し、東京から約2500km離れたグアムにあるSC-1を遠隔操作する実験を実施した。海外にある自動運転車を日本から遠隔操作したのは初めて。

 実証実験はドコモ子会社でグアムに拠点を置くドコモパシフィックにある検証用屋外施設で実施し、5G設備も同社のものを活用した。都内にあるソニーのオフィスから車両を遠隔操作した。車両にはカメラとライダーをそれぞれ前後左右の4カ所、イメージセンサーをルーフ上に設置し車両周辺360度を監視できる。遠隔操作する様子は車内のディスプレーに表示される。

 両社は将来的にファミリー層などをターゲットに同車両を使ったサービスの提供を想定している。旅先にあるSC-1を都内から遠隔操作することで「遠方旅行が難しい高齢者でも、遠隔操作することで一緒に旅行しているような気分を味わえる」(NTTドコモ国際事業部)としており、新たなモビリティサービスの開発を進める。