車載半導体大手のルネサスエレクトロニクスの柴田英利社長兼CEO(最高経営責任者)は22日、車載半導体の不足が原因で自動車メーカーの一部で工場の稼働停止や減産していることに関連して「構造的な問題」で、正常化には時間を要することを示唆した。その上で、業界全体で在庫のあり方を含めて、対策を検討する必要があるとの考えを示した。

 柴田社長は、22日に都内で開催された「第13回オートモーティブワールド」の車載半導体CEOフォーラムのパネルディカッションで、現在の車載半導体不足が、台湾のTSMCなど、半導体を受託生産するファウンドリーに生産が集中していることが原因と指摘。その上で「今から(この状態を)直すのは大変。一旦、この状態を受け入れて、どんな取り組みが必要か(業界全体で)意見交換した方がいい」との考えを示した。

 また、インフィニオンテクノロジーズの川崎郁也社長は、ファウンドリーが需要に対応するのは時間を要するとの見方を示した上で、「長期的な半導体の需要のトレンドをファウンドリーと共有して協力していくことが解決につながる」と述べた。

 半導体は新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークなどの普及でパソコン需要が急増しているほか、5G(第5世代移動通信システム)基地局やデータセンター向けで需要が大幅に増加している影響から、車載向けが不足している。特にコロナ禍の影響で、一時的に需要低迷で自動車生産台数が大幅に落ち込み、その後に急回復したことから、半導体の受託生産会社が対応できない状況が続いている。車載半導体の不足で、フォルクスワーゲン(VW)グループやトヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどが生産拠点の稼働停止や減産を余儀なくされている。半導体の増産には大きな設備投資が必要で、車載半導体不足の問題は長引くことが懸念されている。