「九月二日早朝五時、日本の全権団11名の一行は五台の車に分乗し、横浜港に向かった」。一行とは、太平洋戦争の降伏文書に調印する全権の重光葵外相、副全権の梅津美治郎参謀総長と外務・陸・海軍省からの各随員3人のことだ◆冒頭文は「開戦と終戦をアメリカに発した男-戦時外交官 加瀬俊一秘録」(福井雄三著)に登場する。8月15日の終戦からまだ半月、不穏な事態も…