IHI子会社のIHI検査計測(柏﨑昭宏社長、横浜市金沢区)は、異常体温者を自動的に通知するスクリーニングシステムを20日発売すると発表した。人工知能(AI)による顔認識機能を持ち、対象者の体表面温度のみを瞬時に非接触で測定。異常体温者が通過するとオペレーターにリアルタイムで通知する。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、多くの人々が出入りする施設などで接触による感染リスクを大幅に低減する機器として役立ててもらう。

 赤外線と光学の双眼カメラのほか、AIによる顔認識や異常体温の判定、警報、データ保存の機能を持つディスプレー一体型PC、計測精度を向上させるキャリブレーターなどで構成する「フィーバーチェック」として発売する。設営は20分程度で完了し、構成機器は1つのキャリーバックに収納されており移設も容易にできる。

 顔認識で人の顔を正確に特定し、複数人の体表面温度を非接触で同時に測定する。測定範囲は30~45度で、精度はプラスマイナス0・3度となる。測定距離は2~3㍍。パソコン上に顔画像とともに測定温度をリアルタイムで表示し、異常体温者が通過すると音を鳴らす。オフィスや工場、学校、ホテル、商業施設、空港、駅、イベント会場など屋内の多数の利用者が入場する場所でスクリーニングの効率的な実施に活かしてもらう。