東風ホンダ

新型コロナウイルスの感染源となっている中国・湖北省の政府は、省内の企業に対して事業の再開を3月11日以降に延期すると発表した。湖北省内に工場のある日系自動車メーカーや部品メーカーも操業停止が長引くことになる。特に湖北省武漢市には自動車部品メーカーが数多くあるだけに、サプライチェーン(部品調達網)の混乱で、中国内外の自動車生産拠点への影響が拡大する可能性がある。

先週まで湖北省政府は、企業に対して2月20日まで休業を延長する措置を実施していた。省内に完成車拠点を持つホンダ、日産自動車の合弁工場も2月24日以降の生産再開を目指して体制を整えていた。

湖北省は新型コロナウイルスの感染が依然として拡大しており、住民の外出は原則禁止で、収束は見通せない状況。このため、地方政府は企業に対して省内での事業再開を3月11日以降に延期することを決めた。

日系自動車各社は中国の湖北省以外の生産拠点については2月17日から生産量を抑えた形で一部で生産を再開した。湖北省には自動車部品メーカーが集積しており、今回の湖北省での事業活動再開の延期で、中国国内や、湖北省で生産している部品を調達している日本などの自動車生産にも影響が及ぶおそれがある。自動車生産の正常化にはさらに時間を要することになる。

湖北省の生産拠点は1月25日の春節ごろから休業しており、今回の事業活動の再開延期で1カ月以上、稼働停止を迫られる。中国での自動車生産に大きなマイナスのインパクトを与えるのは必至だ。