ニデックは10月1日、新経営体制と2026年3月期決算にかかる記者会見を京都市南区の本社で開いた。9月29日付で就任した南井正之代表取締役常務執行役員は、一連の会計・品質不正による経営トップ交代と、26年3月期において減損損失約6321億円を計上し最終赤字となったことについて、「ステークホルダーへご心配とご迷惑をおかけしお詫び申し上げる」と陳謝した。
さらに、岸田光哉前社長の辞任を受けて9月29日に就任した戒田理夫社長執行役員は、減損損失の計上の要因となった車載と家電の事業領域のリソースを、成長トレンドと位置付ける「エネルギー・インフラ」「人工知能(AI)・半導体」「工作機械」の3領域にシフトすることで経営再建を急ぐ考えを示した。
会見では、新経営体制による事業再建の方向性が焦点となった。
岸田前社長の後任として9月29日付で就任した戒田理夫社長は「本来のニデックの『ものづくり』『ひとづくり』と品質を第一とする会社に戻す、そして世界のお客さまに信頼される製品を作り直して届けることが、私の使命であり、その実現に努めていく」と抱負を語った。
さらに、経営再建を図る方策として、全方位の拡大志向に捉われた事業戦略や画一的な業績管理、短期業績を重視した従来の経営方式を転換するとともに、「コモディティー化による販売単価の下落と成長鈍化による収益の先細りを避けるため」(戒田社長)、車載と家電の事業にかかる減損に踏み切るとした。車載事業については、電気自動車(EV)化の減速やSDV化の加速による製品コストの増加が部品への値下げ圧力を増幅している懸念を指摘した。
なお、27年3月期連結業績予想については、事業が堅調に推移し構造改革の進ちょくも奏功して改善すると判断。売上高2兆8000億円、営業利益2000億円とした。
岸田前社長の辞任の背景となった「財務報告に関し必ずしも適切とは言いかねる言動」について、南井代表取締役常務執行役員は、「会計の報告に関する内容」として、具体的な内容は明言を避けた。
また会見では、東京証券取引所の上場維持に関する取り組みも焦点になった。監査法人を務めるPwCジャパンの久保田正崇代表執行役は、2026年3月期有価証券報告書について「意見不表明」とした要因について、「不適切な会計処理などに関与、指示、または認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部が、財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担当している」「連結財務諸表作成時点で、不適切な会計処理等に関与した役職員が財務報告プロセスに引き続き関与している」との見解を改めて示した。
PwCジャパンは内部統制報告書についても意見不表明としている。ニデックは10月28日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出する予定としており、確認書を基に東証は特別注意銘柄からの指定解除の是非を審査することになる。戒田社長は「上場維持のためにも、今取り組むべきことを進めていく」と強調した。
(2026/10/1更新)


















