ニデック、品質不正844件 調査委の報告受け会見 承認なく材料変更 自動車部品で産地偽装

  • 自動車部品・素材・サプライヤー
  • 2026年9月4日 18:40

ニデックは9月4日、品質不正などの疑いに関する外部委員会の調査報告書を公表した。確認された品質不正は844件に上り、同日都内で開いた記者会見で岸田光哉社長は「製造業の根幹である品質保証において不適切行為が確認されたことを極めて重く受け止めている。会計不正に続き、多大なご心配と迷惑をかけたことを心より深くおわび申し上げる」と陳謝した。

調査で確認された品質不正は844件。このうち法令・認証への違反の疑いがあるなどの重要事案は60件だった。全体の9割超は顧客の承認なく材料や工程などを変更する行為だったが、試験・検査結果の改ざん・捏造(ねつぞう)も22件、検査・製造条件違反も11件あった。品質不正とは別に、産地表示不正も6件あった。ニデックの調査では製品の安全性に影響はなかったとしているが、製品の機能に関して顧客と協議中のものが2件あるという。

部門別の件数では、各種用途向けモーターなどを手掛けるニデックインスツルメンツが約7割を占めたが、車載電装部品を手掛けるニデックモビリティも14.8%に上った。車載関連の不正例では、顧客の承認なく車載内装部品の構成部品に再生樹脂を使用した事案や、工程の一部を他国へ移管した後も日本原産とするサプライヤー証明書を提出した産地表示の不適切行為などがあった。

調査報告では不正の背景として、永守重信前名誉会長の影響下での過大な業績目標設定などマネジメント面の問題に加え、製造業としてのガバナンスの欠如を指摘。ニデックの会見に先駆けて調査委が開いた会見で、伊丹俊彦委員長(WIN法律事務所)は「事業の実態に見合わない利益目標や短期的な目標の設定、強いコスト削減要求などは会計不正と同じ。ただ、品質保証の独立性の不十分さなど、品質不正に固有の問題も横たわっている」と説明した。

一方、不正の原因について調査報告では「永守氏ら経営陣による業績目標の達成要求が直接的な原因となった事案は一部にとどまり、多くは現場における顧客要求などの把握および業務への展開の不備、変更・検査・記録管理の不徹底、運用の無検証での承継、問題発覚後の報告および是正の不備などが直接的な原因」とした。永守氏自身の関与の度合いについても「業績目標の達成を目的として品質不適切行為などの指示または関与をした事実は確認されていない」としている。

関連記事