トヨタ自動車は、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で6月6、7日に開催したスーパー耐久シリーズ「富士24時間レース」に、超電導技術を活用した水素エンジン車で初参戦した。マイナス253度という極低温下で電気抵抗がゼロになる超電導の特性を生かしてポンプを水素タンク内に搭載、タンクへの入熱量を減らして液体水素が気化する「ボイルオフ」を抑制した。今後は超電導技術を研究する京都大学や鉄道総合技術研究所と協力し、リニア駆動型の超電導ポンプを開発して耐久性を引き上げる。
トヨタは2021年から水素エンジンでレースに参戦しており、23年からは従来の気体よりもエネルギー密度が高い液体水素に切り替えた。富士スピードウェイでの航続距離は気体水素で20ラップだったが、220リットルの液体水素タンクを搭載し30ラップまで延長した。今回、超電導ポンプを搭載した車両ではタンク容量を300リットルまで拡大し、ガソリン車と同等の40ラップ分を確保した。
液体水素はエネルギー密度の高さが利点だが、一方で極低温下を維持する必要がある。これまでの参戦車両では、ボイルオフガスを発生させるタンクへの入熱が技術的な課題であった。今回の水素エンジン車は燃料タンク内に燃料ポンプを組み込むことで入熱を軽減した。
タンク内に配置したポンプは、極低温下で電気抵抗がゼロになる超電導技術を採用した。ポンプユニットをタンク内に搭載したことで車体スペースに余力ができ、タンクの容量は従来より80リットル拡大した。搭載位置も低くなりレース車両の操縦性を高めた。
タンク内のポンプユニットの耐久性を高めるため、今後はリニア駆動型超電導技術の開発も進めていく。現状の超電導ポンプではギアを回す際にボイルオフが発生するほか、極低温下での耐久性が課題だ。ギアを使わず電気と磁力の力で駆動する超電導リニアモーターの技術を京大と鉄道総研と協力して開発を進める。


















