2025年度の中古車輸出台数が、2年ぶりに過去最高を更新しそうだ。日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA、佐藤博理事長)の統計によると、25年4月から26年2月までの輸出台数(車両価格20万円以上)は、前年同期比11.6%増の158万1563台。3月を残して、過去最高だった23年度(159万7632台)に約2万台差に迫っている。通常、単月で10万台を割り込むことはないため、記録更新はほぼ確実な情勢となった。一方、足元の中東情勢の悪化を受け、今後を不安視する輸出事業者も出ている。
JUMVEAが発表した資料を基に、日刊自動車新聞が計算した。25年度はこれまでに、すでに24年度(157万3359台)を8000台強上回った。23年度を上回るには、残り1カ月で約1万6000台を出荷する必要がある。しかし、25年3月が前年同月比3.6%増の15万5811台だったことを考慮すると、仮に半減しても年度で2年ぶりのプラスかつ、過去最高となる可能性が高い。
25年度は2月までの11カ月中10カ月で前年を上回った。このうち、6回は2桁増だった。ここまで輸出が好調に推移している一因は、為替環境がある。上期(4~9月)は1ドル=140円台前半まで円高が進む場面もあったが、10月以降は150円台に振れ、輸出に有利となったことが出荷拡大を後押しした。新興国などを中心に、品質の高い日本の中古車を求める動きが根強いことも大きい。
ただ、2月下旬に米国とイスラエルがイランを攻撃したことで、今後の中古車輸出への影響が拡大する懸念も出ている。海上輸送網が混乱しており、有力な仕向け先である中東やアフリカ諸国への荷が滞る懸念があるためだ。実際、これまで仕向け地別で首位を走ってきたアラブ首長国連邦(UAE)への出荷を止める事業者も出ている。ある業界関係者は、「3月まではUAE向けの船が出ているが、今後も運行が続くかは分からない」と話す。
新車販売の減速も逆風だ。25年7月以降、前年同月を割り込むことが目立っている。新車への代替が減れば、下取りや買い取りも減少し、中古車の流通減も避けられない。業界関係者は、一刻も早い政情の安定を求めている。
(舩山 知彦)



















