ホンダは3月12日、2040年にすべての新車販売を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)とする目標について見直す方針を明らかにした。三部敏宏社長は「現実的には達成困難と考えている。現在、長期ロードマップも(計画を)引き直している」と話した。5月に開催する会見で具体的な方向性を説明する予定だ。
同日、オンライン会見を開いた。
ホンダは2026年3月期業績が最大6900億円の最終赤字(25年3月期は8358億円の黒字)となる見通しを発表。上場以来、初の赤字転落となる。北米でのEV需要鈍化を受け、米国で生産する一部のEVの開発および発売を中止する。これに伴う開発資産の除却や減損損失を計上するため、大幅赤字となる。
今期と27年3月期合わせて2兆5000億円の損失を試算する。内訳は26年3月期が最大1兆3000億円、27年3月期が最大1兆2000億円。金型や専用設備など開発資産の除却や、サプライヤーへの補償などだ。
三部社長は「これまで米国での環境規制に向けて対応してきたが、(その分)投資額も大きかった。これに加え米国EV市場は冷え込み、当初想定の半分以下まで市場が縮小している。このまま進めると、さらに収益悪化を招くということで、今回の判断に至った」と説明。一部のEVの開発中止については「ホンダとして、もちろん車を世に出したかった。関わった従業員やサプライヤーなど多大な影響を及ぼしたのは重く受け止めている」とした。
対象モデルは、次世代EV「ゼロシリーズ」の「SUV」と「サルーン」、アキュラ「RSX」の3車種。インド生産で現地や国内で発売する「ゼロアルファ」は予定通り投入する計画だ。
電動化戦略を見直し、四輪事業の立て直しを図る。米国では20年代後半にかけて新たなハイブリッド車(HV)を投入するなど、HVのラインアップを拡充する。日本では、北米生産車を展開するほか、次期「ヴェゼル」に次世代ADAS(先進運転支援システム)を搭載して普及拡大を図る。日米の主力市場に加え、今後はインドも重点市場と位置づけ、モデルラインアップ強化などに取り組む。
ものづくり改革も進める。開発期間の短縮や生産効率化を加速するほか、サプライチェーンではレアアースなど調達リスクのある材料や部品を含め、安定した調達体制を整える。北米では次世代HVで現地調達率を高めていく考えだ。また、韓国の電池メーカーLGエナジーソリューションとの合弁会社では、米国のEV用電池生産ラインをHV用に転換することを検討している。



















