いすゞが社長交代会見 山口真宏次期社長「機動的に変化できる組織つくる」 成長ステージへ新たなチーム経営体制を構築

  • 自動車メーカー
  • 2026年2月27日 20:20

いすゞ自動車は2月27日、都内で社長交代会見を開いた。4月1日付で代表取締役社長CEO(最高経営責任者)に就く山口真宏取締役専務執行役員は「専門性や多様な意見を束ね、現場の強みを最大限に引き出し、機動的に変化できる組織をつくる」と述べ、不確実性が高まる事業環境の中でチーム経営を推進する考えを示した。

指名・報酬委員会委員長の柴田光義社外取締役は、次期社長の選任理由について「次の成長ステージに向けてさらに強固な経営執行体制を構築するため」と説明した。また、南真介代表取締役社長COO(最高執行責任者)は「いすゞグループの企業風土は大きく変わり、将来に向けた技術、商品、事業に方向付けがなされた。2030年に目指した体制に引き継いでいくタイミングである」と述べた。

23年に社長に就任した南社長は、片山正則代表取締役会長CEOとの「ツートップ体制」で、傘下のUDトラックスとのシナジーを軌道に乗せた。24年4月には31年3月期までの7カ年中期経営計画を策定し、新事業で1兆円の売上規模を目指す方針を示した。

一方、足元では米国関税政策の影響や、LCV(小型商用車)の主力市場であるタイの減速など、さまざまな事業課題に直面している。山口専務は「事業環境はかつてないスピードと振れ幅で変化している。将来を予測すること自体が難しい、高い不確実性の時代だ」との現状認識を示し「企業に求められるのは短期的な最適化でなく、揺るがない思想を持ち動き、決め、続ける力だ」と力を込める。

環境が変化する中で商用車メーカーの再編が進んでいる。4月には日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合し、国内商用車メーカーは2陣営に集約される。競争環境の変化について、山口専務は「今、計画していることを確実にやっていくことが一番重要だ。ただ、(競合先の)想定しない戦略に対しては緊張感を持っている」と警戒感を示す。

山口専務はこれまで、売上収益の2割以上を占めるLCV(小型商用車)の事業を主に担当してきた。23年からはグループCFO(最高財務責任者)として将来に向けた投資とそれを支える財務マネジメントを描いた。24年からはCSO(最高戦略責任者)としていすゞ事業戦略を先導してきた。

片山会長は、山口専務について「考える力が非常に強い。忍耐力がある。人を生かす経営ができる」と述べ、新たなチーム経営に期待を込める。

片山会長と南社長は代表権を持たない取締役会長、副会長にそれぞれ就き、経営執行メンバーからは外れる。片山会長はガバナンス強化に向けて「監督の立場から新しいいすゞの時代を支えていく」と述べた。

関連記事