三菱ケミカル、コークス事業から撤退 採算確保が困難と判断 事業撤退で850億円の損失計上

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  • 2026年2月4日 05:00

三菱ケミカルは2月2日、鋼材を生産する高炉などで使用するコークスと炭素材事業から撤退すると発表した。中国メーカーが低価格のコークスを供給していることから市況の悪化が続いている。採算を確保することが困難と判断した。事業撤退に伴って今期に合計約850億円の損失を見込む。

同社は中国を中心とした鋼材需要の低迷によるコークス市況の悪化を踏まえ、2024年8月からコークスの生産体制を縮小する構造改革を推進してきた。しかし、中国での過剰生産やインドネシアでの大規模施設の稼働によって世界的な供給過剰が続き、市況低迷は長期化している。

同社では、中長期的にもコークス事業で採算を確保するのは困難と判断し、コークスの生産停止を決定した。コークス炉の稼働を前提に生産している炭素材についても供給過剰や需要低迷が続いていることから生産を取り止め、両事業から撤退する。

コークスは石炭を蒸し焼きにしたもので、高炉で製鉄する際に鉄鉱石を鉄を還元する材料として使用される。

同社ではコークスと炭素材は香川事業所(香川県坂出市)で生産している。27年度下期に生産を停止して、順次販売を終了する。生産設備も撤去するが、香川事業所で生産しているピッチ系炭素繊維と関連製品、負極材の事業は継続する。両事業の従業員約600人は他の部署への配置転換などを進める。

同社では、今回の事業撤退の決定に伴って25年10~12月期に固定資産の減損損失として約190億円を計上するほか、26年1~3月期に設備撤去費用や従業員への支援措置などの費用として約660億円を計上する見込み。

通期業績見通しへの影響は精査中としている。

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