日本道路公団の民営化から10月で20年を迎えた。当初は高速道路料金を2050年に無料化する方針を掲げていた。しかし、道路の老朽化対策費などを確保するためとしてずるずると延長され、現在は無料開放の時期は最長で2115年になるとしている。高速道路会社の料金収入は、23年度は約2兆9千億円に上り、50年度は2兆4千億円規模を見込んでいる。利用者の負担は変わらないままだ。国交省によると日本の高速料金は「世界一高い」という。高速料金が無料になるまでは、途方もない時間がかかることになりそうだ。
戦後の日本はインフラ網の構築に向け、その財源を確保するために有料道路制度を導入した。1965年7月に日本初の名神高速道路が全線開通した。当初は建設費の返済を終えた路線から無料開放する予定だったが、1972年に日本道路公団が全路線の収支を一体管理する「全国料金プール制」が導入され、無料開放時期が大幅に先延ばしされた。
その後、小泉政権下で05年に道路関係4公団が民営化された。高速道路は公共性が高いとされ、約40兆円の債務を45年で返済し、2050年に無料開放する仕組みが打ち出された。
しかし、12年に中央道・笹子トンネルで天井板崩落事故が発生。道路構造物の老朽化問題が浮上する。老朽化対策費用として最大12兆円規模の費用が必要と試算された。その結果、無料開放時期が65年になった。その後も修繕箇所が増えていき、費用を確保するために、無料開放の時期を最長で2115年まで引き延ばした。
もともと、債務の返済についての見込みが甘かったようだ。設備の更新や修繕費が含まれていなかったという。
定額制だった高速料金も段階的に値上げされていく。16年に首都高速と阪神高速の高速料金を距離制に統一し、料金を300~1300円(普通車)に改定した。
その後、22年に首都高は上限額を1950円に引き上げた。自動料金収受システム(ETC)搭載車を対象とした割引や、割安な深夜料金なども導入されたが、抜本的な負担減にはつながっていない。
高速道路各社の料金収入の総額は23年度、2兆9536億円に達した。コロナ禍による移動制限で一時期、利用者が減ったものの、20年代は概ね同水準で推移しており、50年度にも2兆4千億円規模の収入を見込んでいる。
現在、計画されている高速道路会社の更新事業費用は総額約7兆円に迫る。足元では人件費や資材費の高騰も進んでおり、今後、さらに積み上がる可能性もある。高速料金の一部はこれらの更新費用に充てられるが、修繕工事に終わりは見えない。民営化から20年が経過したが、明確な出口戦略は描けていないままだ。
(村田 浩子)



















