旭モータース(大岩哲之代表取締役、愛知県半田市)は、「人の命を守る」ことを使命に、高齢ドライバーの「運転寿命」を延ばす活動に取り組む。本店の整備工場の2階にフィットネスジムを開設し、ドライビングシミュレーターを設置した。ジムで体を動かして健康を維持しながら、シミュレーターで自分の運転能力を可視化できる。多くの人に安全運転を意識し、少しでも長く運転し続けてもらいたいとの考えから取り組みが始まった。
大岩代表取締役が「運転寿命」について考え始めたきっかけは、祖母の免許返納だ。返納後、元気がなくなり、足腰も弱っていったという。移動の自由を失うことが心身の衰えにつながると感じた大岩代表取締役は、「免許を取り上げることが正義ではないのではないか」と思った。一方で、「高齢者が運転するための担保、客観的な評価がない」と考え、運転技能を測れるシミュレーターの導入を決めたという。
このシミュレーターは、認知能力や瞬発力なども数値化することができる。体験後に結果が出力され、データを基にスタッフが「夕方の運転は控えた方が良さそう」といった具体的なアドバイスを行っている。これにより、高齢者が自分の運転能力を客観的に認識し、交通安全を意識する機会につなげている。シミュレーターは本店のほか、美浜店(同美浜町)や東海店(同東海市)にも設置している。
また、運転には体力づくりも欠かせないとも考えた。そこで、もともと利活用の検討を進めていた本店の整備工場の2階にジムを設けることを決めた。
運転寿命を伸ばす取り組みは、自動車業界の中でも注目を浴びている。 大岩代表取締役は「実際に嫌な思いをしないように、事故に遭う前に体験してほしい」とし、今後もシミュレーターの活用を訴えていく考えだ。
〈大岩哲之代表取締役コメント〉
今回の受賞は、当社の事業を知ってもらうきっかけになった。社会の中で課題を見つけながら(地域課題の解決につながる事業を推進する)「ローカル・ゼブラ企業」として経営していくことで良い業界として見てもらえると思う。業界の皆さまとともにさまざまなことに取り組んでいきたい。
(茅根 遥)







