連載「整備業界の羅針盤 整備事業者アワード2026」(10)審査委員特別賞 市来塾オートクラフト会

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  • 2026年8月27日 05:00

 「整備工場向けの経営の学校がない。若い整備士を仕事に飽きさせたくない」との思いから、市来広代表は市来塾オートクラフト会(鹿児島県霧島市)をコロナ禍後に立ち上げ、次世代に求められる自動車整備士の育成に力を入れてきた。

 やる気のある整備工場から参加者を募り、地域部品商などの協力を得ながら整備士の集合研修を継続している。

 第1期生は全国から13社14人が参画し、15回にわたる研修を経て2026年2月に卒業した。第1期生が自らの職場で選んだ同僚が第2期生として参加するケースも目立つ。「右腕」となる同僚を育てることが、生産性の大幅な向上につながるとの発想だ。

 研修プログラムは、地域に愛される「町医者」のような整備工場を目指すことを前提に、積極的なコミュニケーションによる予防整備の徹底に重点を置く。市来代表は「技術力だけではいずれ仕事がなくなる。技術以前に人間性が重要で、『頭(こうべ)を垂れる』ことでこそ仕事がどんどん増える」との信念を伝え続けている。

 実際の研修では新しい整備技術を習得し、整備の楽しさを再認識しながら、仕事のやりがいの再発見や新たな技術を学ぶ喜び、参加者同士のコミュニケーションを育む場となっている。

 研修参加者にとっては、整備士同士の絆が生まれ多くの相談相手がつくれる点、整備技術に限らず、メニューの価格設定やユーザー対応など多岐にわたる情報交換を他社と行える点など、メリットが大きい。

 市来代表は「総入庫台数拡大こそが地域密着度合いのバロメーターになる」との考えから、卒業生の「その後」にも目を配り続けている。

 〈市来広代表コメント〉

 苦しんでいる小規模工場が多いが、戦略・戦術を持てば必ず成功するので、元気が出る情報を共有して勇気を与えたい。学ぶ姿勢がある人は成長するので、手を挙げてほしい。格好良い整備士を生み出すために、現場の若手整備士が納得して夢を持てる仕組みづくりを重視したい。

(長谷部 万人)

=連載おわり=

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