ホンダは、上級ミニバン「オデッセイ」の国内販売を終了する。低ルーフミニバンブームの火付け役としてかつてはヒットしたが、近年の上級ミニバン市場はトヨタ自動車「アルファード」が圧倒している。足元でオデッセイの年間販売台数は1万台を切っており、2027年2月をめどに国内向け生産を終了する。ホンダは新たな上級ミニバンの検討を進めており、今後3年以内に国内投入する方針だ。オデッセイのコンセプトを見直して、上級ミニバン市場での“復権”を目指す。
オデッセイは1994年に初代モデルを発売。後席にスライドドアを採用しない、乗用車ベースのミニバンとして高い運動性能が評価され人気を博した。ピーク時には年間10万台以上を販売した実績がある。
現行モデルは、狭山工場(埼玉県狭山市)の閉鎖に伴い2021年12月末で国内生産を終了した。その後、ユーザーや販売会社から復活を望む声が相次ぎ、23年12月に販売を再開。現在は中国で生産し、日本向けに供給している。
ただ、上級ミニバンでは、背が高く室内空間の広さを重視したモデルが人気を集めており、ライバル車より背が低いオデッセイの販売は伸び悩んでいる。25年度の販売台数は7339台にとどまった。アルファードは8万1357台、「ヴェルファイア」は3万2847台を販売しており、その差は歴然だ。
また、日産自動車も今夏に「エルグランド」を16年ぶりに全面改良し、ボディーサイズを大型化して投入する計画だ。各社が上級ミニバンを強化する中、オデッセイの存在感はますます薄れる可能性がある。
ホンダのミニバンはオデッセイの他、中型の「ステップワゴン」、小型の「フリード」がある。オデッセイの国内販売終了後に新たに投入を検討する上級ミニバンは、コンセプトを抜本的に見直し、商品力を高めることでシェア拡大を狙う。
ホンダは電気自動車戦略の見直しに伴い、26年3月期に4239億円の最終赤字を計上した。5月に公表した四輪事業の新たなロードマップでは、日本市場を「重点地域」と位置付けている。高付加価値モデルとして新たな上級ミニバンを投入し、国内四輪事業の巻き返しを図る。


















