名古屋市の広沢一郎市長は日刊自動車新聞の取材に対し、世界ラリー選手権(WRC)日本大会「ラリージャパン」について、次回以降の開催で名古屋市内に競技区間(スペシャルステージ、SS)を設置する方向で検討していることを明らかにした。ラリーがより身近に感じられる環境を整備することで、観光振興とモータースポーツ文化の醸成につなげる考えだ。
広沢市長は「集客力のあるラリージャパンに参画できたことは、名古屋市の観光業にとって大きなメリットがある」とした上で、「今大会も市内でSSをできないか検討したが、時間的制約もあり適地が見つからなかった。現在、改めて場所を探している」と述べた。
5月28日に開幕した今年のラリージャパンでは、運営主体の「ラリージャパン2026実行委員会」に、初めて名古屋市が参画した。また、従来豊田市で実施していたオープニングセレモニーをより集客が見込める名古屋城で開催するなど、新規ファンの取り込みに向けた施策を展開している。
ただ、実際に競技が観戦できるSSは、安全確保や地域住民への影響といった観点から、車両や人の往来が少ない山間部への設置が一般的だ。そのためSSへの移動などのハードルが高く、気軽に観戦できないことも多い。
名古屋市内でのSSが実現すれば、より多くの観客がラリーカーの走りを楽しめるようになる。新たなファンの獲得や、国内外からの観光客増加も期待できる。半面、マシンの騒音や事故発生時の対応、警備負担の拡大などの課題もある。加えて、ラリーカーの移動の問題も残る。マシンの整備を行う豊田スタジアムから名古屋市中心部までは一般道で約30キロメートルあり、交通量も多い。競技の進行に影響を及ぼさないよう、円滑な移動ができるかは未知数だ。
過去のラリージャパンでは、豊田市が豊田スタジアム内やスタジアム近くの河川敷にSSを設置した。他の自治体の経験も共有しつつ、来シーズン以降の市内でのSS実現に向けた活動を進めていく。




















