日産、長期ビジョン発表 AIを事業戦略の軸に 日米中がリード市場 新型エクストレイルやジュークも公開

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  • 2026年4月14日 11:50

日産自動車は4月14日、人工知能(AI)を事業の中核に据えた新たな長期ビジョンを発表した。新型「エルグランド」に搭載するE2E(エンド・ツー・エンド)などのAI運転技術をラインアップの9割に搭載する。事業面ではモデル数を絞り込み、低収益車を廃止することで事業効率を高める。日本、米国、中国をリード市場に据え、2030年度までの販売目標も掲げた。経営再建計画「Re:Nissan」の完了を見据え、商品と地域を軸にした具体的な戦略の方向性を示した。

同日、横浜市の本社で長期ビジョンを発表したイヴァン・エスピノーサ社長は「市場の変化は激しさを増している。こうした環境下で顧客が求めているのは実用的で役立つ、日々の暮らしに寄り添うテクノロジーだ」と述べた。

事業戦略の軸に据えるのが、AIによる車両の「知能化」だ。車両の制御や乗員のサポートをAIが担う「AIディファインドビークル(AIDV)」とし、27年度末までにエルグランドに高度運転支援の「認知」「判断」「操作」のすべてをAIが一括して行う次世代「プロパイロット」を搭載する。

また、現在、世界で展開する56モデルを45モデルまで絞り込み、低収益モデルから撤退する。一方で、1モデル当たりの販売台数を引き上げ、事業効率を高める。各モデルは「ハートビート」「コア」「成長」「パートナー」の4つの役割に分類し、ブランド価値の向上と安定収益の両立を図る。

商品開発の手法も変える。共通のプラットフォーム(車台)、パワートレイン、ソフトウエアの基盤をつくり、従来のようなモデルごとの開発最適化を廃止することで開発スピードを速め、新技術の導入も加速する。

経営再建計画完了後を見据えた中核モデルとして、次期「ローグ」(日本名=エクストレイル)と「ジューク」を披露した。また、高性能モデル「スカイライン」と、フレーム構造を採用する「エクステラ」のティザーも公開した。

主要市場における30年度までの販売目標も掲げた。日本は55万台、米国と中国でそれぞれ年間100万台を目指す。中国では現地での開発スピードとコスト競争力を生かし、「N7」をASEAN(東南アジア諸国連合)やラテンアメリカ、「フロンティア・プロ」を米国やASEAN、中東に輸出する。

現在進めている経営再建計画は27年3月に終える。世界7工場の統合や新車開発費用の抜本的な見直しを進める一方で、地政学的リスクの高まりなどで事業の先行きは不透明感が強まっている。エスピノーサ社長は長期ビジョンについて「折り返し地点に達した今こそ、行動を導く指針として明確にすべきだと考えた」と述べた。

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