ルノーのジャンドミニク・スナール会長は6月12日、ルノーの定時株主総会・特別株主総会で、日産自動車が6月25日の定時株主総会で提案する指名委員会等設置会社への移行に関して「棄権」すると表明していることに関してルノーのティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)が委員会が委員に入っていないことが理由で「決して(日産に)戦いを挑もうというわけでなく、対話をしていきたいだけ」と述べた。日産の西川廣人社長兼CEOは6月13日、記者団に「大事な株主でありパートナーなので直接議論する」と述べ、委員会のメンバーにボロレCEOが入る方向で協議する意向を示した。株主総会の直前になって日産の新しい経営体制についてルノーが反発したことで、両社の関係は緊迫しているが、関係修復に向けて日産がルノーの要求を受け入れる方向で調整が進んでいる模様だ。
ルノーのスナール会長は「ルノーの成功はアライアンスの成功なしに考えられない」と、今後もアライアンスを強化していく姿勢を示した。日産がガバナンスを強化するため、指名委員会等設置会社に移行する議案について「棄権」する意向を表明したことに関しては「ガバナンスを変えることには賛成している」としている。ただ、新設される指名委員会、報酬委員会、監査委員会のうち、スナール会長は委員を務めるものの、ボロレCEOが委員会メンバーに入っていない。スナール会長は「ルノーの代表者を委員会の議席を持ちたいだけで、それ以外のことは要求していない」と述べ、日産と協議していることを明かした。
ルノーは日産に43%出資しており、指名委員会等設置会社に移行するためには、株主総会で3分の2以上の賛成が必要。仮にルノーが棄権した場合、否決されて新しい経営体制に移行できなくなる。このため、日産は、ルノーから決議を棄権する書簡を受け取った後「ルノーの意向は、コーポレートガバナンス強化の動きに完全に逆行するものであり、誠に遺憾」との西川社長の声明を公表、両社の関係は一気に冷え込んだ。
日産は株主総会まで時間が迫っていることもあって、ボロレCEOを委員会のメンバーにするというルノーの要求を受け入れると見られる。西川社長は「意見の違い少しあるので、そこはいま調整して相談しているところ」としている。
株主総会の正常な運営を人質に、要求を呑ませるルノーのやり方に日産では不満が高まっている。スナール会長は、日産がルノーから不当な干渉を受けた場合、ルノー株式を買い増してルノーの議決権をなくす改定アライアンス基本合意書(RAMA)について「普通ではない(契約)と思っている。これ以上、ルノーの影響力を下げることをしたくない」と述べており、今後も日産に対する影響力を保持する方針だ。独立性を重視する日産と対立の火種は残ったままだ。
一方、スナール会長は経営統合が破談となったFCA(フィアットクライスラーオートモビルズ)について「(実現していれば)グループにとって多大なメリットがあった。今はその方向でまとまらず、心から残念」と述べた上で「将来は分からない」と、FCAと経営統合の協議を再開する可能性を示した。



















