豊田自動織機はトヨタグループで物流ソリューション事業を手掛けている(イメージ)

トヨタグループは6月3日、豊田自動織機のTOB(株式公開買い付け)に関してオンラインで説明会を開いた。トヨタ不動産の近健太取締役は「トヨタグループを株主とする当社を通じ、グループが一体となり自動織機との連携を強力に進める」と述べた。また、豊田自動織機の伊藤浩一社長は「上場していると短期的な業績への期待が大きい。モノの移動が複雑・高度化する中、(物流ソリューション事業などへの)投資を長期目線でしていけることが非公開化のメリットだ」と説明した。

説明会には、トヨタ不動産の近取締役、豊田自動織機の伊藤社長、豊田自動織機の鈴木透執行職、トヨタ自動車の山本正裕経理本部長の4人が出席した。

同日発表した豊田自動織機の非公開化では、新設する持株会社が豊田自動織機にTOBを実施する。持株会社には、トヨタグループを株主とするトヨタ不動産が約1800億円(議決権99.5%)、トヨタの豊田章男会長が10億円(同0.5%)出資し、トヨタは議決権を持たない優先株で約7000億円を出資する。銀行からは約2.8兆円の融資を受ける。トヨタ、アイシン、デンソー、豊田通商の4社は保有する豊田自動織機株を売却し、豊田自動織機が保有する株式のTOBを行う。

豊田自動織機のTOB価格は、1株1万6300円。2025年12月上旬をめどに開始する予定。トヨタが保有する豊田自動織機株を自己株取得する金額を合わせた買収総額は、約4.7兆円となる。

豊田自動織機はトヨタの源流企業。トヨタ株を9.15%保有し、トヨタは豊田自動織機の株を24.66%保有する。豊田自動織機は近年、株主の海外ファンドから資産の有効活用を求められていた。