2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が13日に開幕する。万博史上最多となる158カ国・地域と7国際機関が参加。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界各国が多様な文化や価値観、最新技術などを紹介する。期間中は空飛ぶクルマがデモ飛行を行い、パーソナルモビリティが会場内の移動手段として活躍する。近未来のモビリティ社会をいち早く体験できる万博となりそうだ。
日本で万博が開催されるのは、05年に愛知県で行われた「愛・地球博」以来20年ぶり。夢洲(大阪市此花区)を会場に10月13日まで184日間開催される。会期中は2820万人の来場を見込んでいる。
大阪・関西万博のシンボルが「大屋根リング」だ。全周2㌔㍍、高さは最大20㍍で世界最大の木造建築物としてギネス認定された。会場内には180を超えるパビリオン(展示館)が設置され、お国柄を表現するデザインが特徴の海外パビリオンが見どころだ。日本政府が出展する日本館では「火星の石」などを展示する。
今回の万博では「未来社会の実験場」をコンセプトに、さまざまな次世代技術や社会システムなどの実証が行われる。空飛ぶクルマはその一つで、スカイドライブ、ANAホールディングスと米ジョビー・アビエーション、丸紅の3陣営が会期中にデモ飛行を予定している。
来場者輸送でも実証実験が行われる。大阪メトロが大型電気自動車(EV)バスを自動運転レベル4(特定条件下における完全自動運転)で運行。会場内を周回するEVバスではワイヤレス給電を行う予定だ。自動車関連企業も万博をサポートする。ダイハツ工業はパーソナルモビリティ「eスニーカー」を会場内の移動手段として提供。ホンダも着座型パーソナルモビリティの新型「UNI-ONE(ユニワン)」の試乗体験を実施する。
日本特殊陶業は「空中感覚装置」を披露する。空中に投影されたキャラクターの映像に〝触った感覚″などを作り出すもので、新たなコミュニケーションやエンターテインメントの形を提案する。
豊田合成は、衣服に装着したペロブスカイト太陽電池で発電し、首元の冷却ファンなどを動かす「スマートウェア」を吉本興業ホールディングスのパビリオンで実証する。