NTTとNTTドコモ、NECは25日、高速移動する自動車に対して安定した高速・大容量通信を実現する技術の実証実験に成功したと発表した。自動運転車の大容量センシングデータの収集などに活用できる可能性がある。3社は今後、一般道路を想定した実証実験を実施して実用化を目指す。

 今回開発した技術は、電波の直進性が高い次世代通信規格である6G(第6世代移動通信システム)時代を想定、基地局から複数のアンテナを分散配置する40㌐㌹帯の高周波数帯をコネクテッドカー向けに適用するもの。最適なアンテナとビームを高速で選択するとともに、基地局側がコネクテッドカーの受信する周波数や受信タイミングを最適になるよう補正する。

 コネクテッドカーの高速移動では、使用するアンテナが切り替わる場合や、周辺を走行するバスやトラックによって通信が遮蔽されると、通信品質が低下する課題がある。開発した技術では複数のアンテナが協調して安定した通信品質を確保できる。高速・大容量通信を実現する6Gの高周波数帯でもコネクテッドカーに適用できる可能性があるという。

 今回の実証実験は試験走路で実施した。今後は一般道路でのサービスを想定した実証実験を実施するとともに、適用周波数の拡大に向けてミッドバンド帯など、幅広い周波数帯で複数アンテナを使用する際の技術適用を検討する。