カストロールカラーが24年ぶりに国内復活―。BPカストロール(平川雅規社長、東京都品川区)は、テインと新チーム「カストロールウィズテイン」を結成。赤・白・緑で彩られた「カストロールカラー」をまとったチェコのシュコダ「ファビアR5」で、2025年の全日本ラリー選手権(JRC)に参戦している。BPカストロール公認で、この意匠のマシンが国内レースを走るのは、01年シーズンの全日本GT選手権(JGTC、当時)以来という。JRCに加え、15日に今季が開幕する全日本ダートトライアル選手権(JDC)にも挑む計画で、往年のファンの注目を浴びそうだ。
新チームはドライバーを務める鎌田卓麻氏が代表のTKMが運営。BPカストロールは潤滑油を供給。テインもサスペンションの提供に加え、技術面の支援を担当している。JDCではスバル「BRZ」で勝利を目指す。
BPカストロールが国内レースで、往年のカラーを復活させた背景の一つには、「20年以上アピールの場がなかった」(平川社長)ことがある。国内でもいまだ一定のブランド力があるものの、これはかつてのモータースポーツ活動で強さをみせていた時の蓄積でもある。これからもユーザーに選ばれるブランドであり続けるためには、アピールの場を広げる必要があった。このため、象徴でもあった人気カラーで再びレースを走り、往年のファンを引き付けるとともに、「若い人に知ってもらう」(同)ことで新たな顧客の開拓につなげる狙いだ。
テインと組んだのも、カストロールとの関係の深さが一因だ。カストロールはかつて、何度も王座を獲得したトヨタ自動車の世界ラリー選手権(WRC)の活動を支えた実績がある。テインの藤本吉郎専務も当時トヨタチームのワークスドライバーを務め、1995年のWRC「サファリラリー」で、カストロールカラーの「セリカGT-FOUR」を駆り、総合優勝した経験もある。当時の強さを知る者同士で協力し、互いのブランド力の強化に力を入れていく。
当時のカストロールカラーのマシンはWRCのほか、97年のJGTCを制した「カストロール・トムス・スープラ」などトヨタ車のイメージも強い。これも2026年には復活しそう。新チームは来季のJRCには、トヨタの「GRヤリスラリー2」での参戦意向を表明している。実際にラリーの舞台に登場すれば、より関心を集めそうだ。
(後藤 弘毅)