トヨタ自動車は2月5日、中国・上海に工場を新設し、2027年以降に「レクサス」ブランドの電気自動車(EV)を生産すると発表した。年間生産能力は10万台を計画する。現地メーカーを中心とした価格競争の激化で苦戦を強いられる中国市場において、現地ニーズに沿ったEVの開発、生産体制を整えて反転攻勢をかける。

トヨタの中国事業は現在、中国第一汽車集団との「一汽トヨタ」、広州汽車集団との「広汽トヨタ」と、現地企業と合弁会社を展開しているが、今回は単独資本で中国に進出する。新たな拠点を上海で構える理由について、上田裕之渉外広報本部長は「上海は最先端技術の集積地で、EV市場も成熟している。EVを作るのに恵まれた土地だ」と語った。新会社ではレクサスブランドのEVや電池の開発、生産を担い、約1000人程度の新規雇用を計画する。

トヨタは同日、米ノースカロライナ州で建設中の車載電池工場「トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)」の電池出荷を4月から開始すると発表した。まずはハイブリッド車(HV)向けから供給を開始し、プラグインハイブリッド車(PHV)やEV向けにも広げていく。