マツダパーツと共同で制作した体験トラック

 マツダは、これまでさまざまなモータースポーツ分野に挑戦してきたが、eモータースポーツ分野にも本格参入を開始した。ゲームの世界から実車の運転機会を得られる「バーチャルからリアルへの道」を掲げ、ゲームを通じて幅広い年齢層に「走る歓び」を伝えている。

 倶楽部マツダスピリットレーシングは「共に挑む」をスローガンにチャレンジプログラムを設定し、22年からグランツーリスモを使用した「マツダスピリットレーシングGTカップ」を開催している。同GTカップ参加者の中から上位約30人を選出して筑波サーキット(茨城県下妻市)で実車を使ったリアルなサーキット体験会を実施。最終的には6~8人の選抜メンバーが実車でのレース参戦を目指す。参加者の中には、運転免許取得後間もない人や日常的に運転をしない人も含まれる。バーチャルとリアルの違いを知ってもらい、クルマや運転に対して「ワクワクしてもらう」ことが狙いだ。

 当GTカップの17歳以下向けクラスは参戦のみだったが、今秋から上位者は実車レース以外でクルマやマツダを身近に感じることができる機会を提供する計画だ。

 24年春には、部品販売会社のマツダパーツと共同でeモータースポーツを体験できるトラックを製作した。今後、各地のイベントに出展し、普及のきっかけとしていく。ブランド体験推進本部の久松忠輝氏は「まずは、クルマを楽しんでもらう機会をつくっていく。好きになった時、それがマツダだったらうれしい」と話す。今後、マツダグループとして、リアルとバーチャルの世界でクルマ好きを増やしていく考えだ。