正社員11名、技能実習生5人、特定技能生4人が在籍する
加藤博巳社長のリーダーシップが日本人と外国人材の距離感を近付けた

 ウィン(加藤博巳社長、愛知県岡崎市)は、愛知県岡崎市を中心に「自動車ディーラー事業部」「整備事業部」「U-car事業部」「人材開発事業部」を展開している。1974年の創業以来、一貫して「すべてはお客様のために」という企業理念を徹底してきた。この企業理念を具現化するため掲げるのが、人材の「教育至上主義」。同社が外国人の人材を受け入れ、自動車整備士として育て上げる背景には、こうした経営思想が息づいている。

 同社が外国人技能実習生の受け入れを始めたのは2009年のこと。弓逹孝常務は、「相当苦労した」と振り返る。文化や風土が異なり、言葉の壁もある中で外国人とコミュニケーションを取るのは難しい。同社でも「当初は現場任せだった」(弓逹常務)こともあり、日本人、外国人ともに不満因子がたまっていったという。

 互いの信頼関係を築く突破口となったのが、加藤社長の強力なリーダーシップだった。加藤社長が食事会を積極的に開いたり、一緒に登山に行くなど、日常生活の中で共に喜び、楽しむ時間を共有。これを社員一人ひとりにも広げていったことで心の距離感が縮まり、日本人と外国人が互いに理解し、尊重し合う環境が徐々に整っていった。

 苦労を重ねた末に構築した外国人人材が働きやすい労働環境。その評判は外国人同士のコミュニティーでも広がり、同社での就労を希望する外国人が増加することになった。

 希望を持って来日する彼らの役に立てることはないか―。同社が決断したのは自動車業界への就職をめざすための日本語学校「ウィン日本語学院」の設立だった。さらに、外国人技能実習生の受け入れ事業などを行う「GHR協同組合」も設立。同社の人材開発事業部とウィン日本語学院、GHR協同組合が三位一体となり、外国人が日本で自動車整備士として活躍するための支援環境を整えている。

 弓達常務は「今ではなくてはならない存在になっている」と話す。現在、外国人の正社員が11人居るほか、5人の技能実習生と4人の特定技能生が在籍している。彼らが成長してこそ、同社も成長できる。すべてはお客様のために尽力している日本人に加え、外国人材の活躍が、同社の持続的成長を支えていくことになる。

〈受賞コメント〉

弓逹孝常務
 外国人人材を含めて、教育に対しては今まで以上に力を入れていく。企業は人なり。人が成長するから会社も大きくなる。教育を通じて、人材のレベルが上がれば売り上げも上がる。人材育成部門での賞をいただいたことで、改めて人材教育に力を入れないといけないという気持ちになった。

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