豊田合成は22日、世界トップクラスの200㍉㍗級の光出力を実現した深紫外線(UV-C)LEDモジュールを開発したと発表した。このほど国内や中国、韓国でサンプル販売を始めた。浄水場などのインフラで使用されている除菌用の水銀ランプの代替などとして売り込み、2030年度に数十億~100億円規模の売上高を目指す。

 UV-Cは、ウイルスや細菌の遺伝子情報を破壊し増殖を抑える効果がある。除菌用の水銀ランプと比べ、水銀を用いないため環境負荷が低く、小型・長寿命でエネルギー消費が少ない利点がある。このため、同社は他社とも組んで「除菌ボックス」や「高速表面除菌装置」「水浄化ユニット」などを相次ぎ商品化してきた。ただ、出力の向上や、光を取り出す効率などに課題があり、高い除菌能力が必要とされる浄水場などでは、水銀ランプが未だに用いられている。

 同社は、長年培った青色LEDの結晶化・設計技術を応用し、LEDの素子構造やパッケージを改良。取り出せる光の量を約4倍に増やした結果、除菌能力は約3倍に高まった。ライフソリューション事業本部の大西亮本部長は「青色LEDと比べるとまだ改善の余地があり、単位面積当たりの出力を上げ、コストを下げていく」と語った。