完成予想イメージ
大平隆専務執行役員

 いすゞ自動車は29日、藤沢工場内(神奈川県藤沢市)に約400億円を投じて電動車の開発実験棟を新設し、2026年6月から稼働させると発表した。

 いすゞは、2030年までに全車種で電動車を展開する方針を持つ。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)は内燃機関車とは部品構成が大きく異なることから、電動車に特化した施設を設けることで開発の効率化を目指すことにした。設備投資額は、5月に公表した総額1兆円のイノベーション投資に含まれているものだ。

 新設する実験棟「ジ アース ラボ」は、藤沢工場の第1、2実験棟の跡地に建設する。地上5階建てで、建築面積約5700平方㍍、延床面積2万7千平方㍍。施設内にはバッテリーやモーター、EVシステム、熱マネジメントなどの評価設備を設ける。

 いすゞは同日、藤沢工場で技術方針説明会を開き、路線バス「エルガEV」や電池交換式EVトラックを紹介した。大平隆専務執行役員は実験棟の狙いについて「長期的には事業基盤強化につなげていきたい」と語った。