世界初公開の「プレリュード・コンセプト」
流れるようなフォルムがスペシャリティークーペならでは
Aピラーが立ったデザインが個性的。フロントオーバーハングの長さからFFと推測される
2ローター化したシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを搭載する「アイコニックSP」も世界初公開
プレーンで躍動感のあるデザインに専用開発した鮮やかな赤がマッチしている
Bピラーの丸みを帯びた処理などはFD3S型「RX-7」を彷彿とさせる
ブースには小さなロードスターも
外壁には無数のミニカーが。モリゾウ氏と思われるサインも

「東京モーターショー」から名称を一新した「ジャパンモビリティショー2023」が東京ビッグサイトで賑わいを見せている。「乗りたい未来を、探しにいこう!」と題し、会場では自動車メーカー各社の最新モデルの展示から、これまでの自動車ショーの枠にとらわれない新たなモビリティの体験、さらに音楽ライブやお笑いライブまで、見どころは尽きない。スケールアップした4年ぶりの祭典を、日刊自動車新聞電子版の編集メンバーが独自の視点で気になるポイントを紹介する。会期は11月5日まで。

 

クルマ好きが気がかりなこと…

これまで東京モーターショーに毎回足を運んできたクルマ好きにとって、モビリティショーへの名称変更は気になるところだろう。超小型モビリティや無人運転の電気自動車(EV)など、未来の乗り物が多数出展されていることは容易に想像できる。でも、やはりクルマ好きとしては、最新のニューモデルやスポーツカーのコンセプトなどが気になるのが本音ではないだろうか。でも、心配無用。今回のモビリティショーもクルマ好きがワクワクするようなモデルが数多く出展されている。

 

元祖デートカーが復活

「プレリュード」―。40代後半から上の世代、特に50代には、この響きが“刺さる”方も少なくないだろう。そんなホンダの元祖「デートカー」がコンセプトで復活した。

デザインはいかにもスペシャリティーカーらしい流麗な2ドアクーペ。ワイド&ローのフォルムは素直にカッコいい。フロントオーバーハングの長さからFF(前輪駆動)であろうと推測できる。パワートレインはハイブリッドシステムを搭載するという。ゴリゴリのスポーツモデルではないデートカーのプレリュードには、ハイパワーなEVより現実的なハイブリッドの方が似合う気がする。

今回、世界初公開となったプレリュード・コンセプトは、2025年頃をめどに市販化する方針だという。新型でもあの頃のように、お洒落なテレビCMに期待したい。

 

“らしさ”全開のマツダブース

マツダブースの目玉は真っ赤な「アイコニックSP」だ。世界初公開のコンパクトスポーツのコンセプトは、「MX-30ロータリーEV」に搭載したシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを2ローター化。発電性能を高めることで、スポーツカーらしい370馬力という高出力を発揮する。マツダのスポーツカーの伝統である前後50:50の重量配分にもこだわった。
鮮やかなボディーカラーは、「ヴィオラ・レッド」という新色で、コンセプトモデルのために開発した。赤にこだわるマツダらしい。コンパクトながら躍動感あふれるアイコニックSPによく似合う。

マツダブースにはアイコニックSP以外でも気になる展示がある。大型スクリーンの目の前に白い「ロードスター」が置かれている。それにしても、随分と小さいような…。

その正体は子ども用のアトラクションで、実車の3分の2のサイズだという。細かい部分まで忠実に仕上げてあり、乗車してアクセルを踏むと走行風が吹いてオープンドライブを体感できる。なりは小さくともマツダのマニアックなこだわりが詰まっている。

また、もう一方の外壁には、無数のミニカーが埋め込まれている。これは従業員や友人、家族から寄贈されたものだという。そのため、よく見るとかなり使い込まれたボロボロのミニカーも多い。車種はマツダに限らず、さまざまなメーカーのミニカーが並んでいるため、子どもの頃のお気に入りや、マイカーを見つけたり、レアなミニカーを探したり。子どもも大人もクルマ好きなら時間を忘れて楽しんでしまう魅力がある。