車両の速さだけでなく、コスト管理など「ものづくりの総合力」を競う

 第21回「学生フォーミュラ日本大会2023」(自動車技術会主催)が8月28日から9月2日までの6日間、静岡県小笠山総合運動公園(エコパ、静岡県袋井市)で開かれた。今年は海外チームを含めた68チームが参加し、車両開発や準備に費やした1年間の成果を競った。

 学生フォーミュラは、自動車技術を学ぶ学生に実践の場を提供し、プロジェクトマネジメントを学んだり、ものづくりの楽しさを体感してもらおうと米国などの取り組みを参考に自動車技術会が2003年に始めた。単に車両の速さだけではなく、設計やコスト管理、製造販売のためのプレゼンテーション技術なども競う。英国やドイツ、イタリアなど開催各国でルールが統一され、海外遠征もある国際競技大会だ。

 学生フォーミュラ会議の豊増俊一議長(日産自動車)は「学生フォーミュラの灯を途絶えさせないことが我々の使命だった」とコロナ禍を振り返り「学生のエネルギーは(準備に費やした)この1年間で完全に挽回し、さらに前へ進んでいる」と語った。

 今回の日本大会は、最終日に実施予定だった暫定表彰式が集計システムのトラブルにより見送られ、競技結果は集計中だ。来年は愛知県常滑市の「アイチスカイエキスポ」(愛知県国際展示場)に会場を移して開かれる。