―スマート継続OSSシステムとは
 「スマート継続OSSシステム」は、手入力不要で指定整備記録簿と電子保適証を作成し、自動的に継続OSS申請情報まで完成させることができるシステムです。国土交通省の車検証データや新旧自賠責データなどを引用することで正確な書類を簡単に作ることができます。書類作成にかかる時間も大幅に削減されるため、業務効率化や働き方改革の推進などにも貢献します。

 ホンダカーズ泉州(大塚雅仁社長、大阪府和泉市)は自動車検査登録情報協会(自検協、加藤和夫理事長)が開発した「スマート継続OSSシステム」を利用している。短時間で正確な指定整備記録簿と電子保適証を作成してスムーズに継続OSS申請ができるようになったほか、検査員の業務効率化を実現した。入庫台数が多い拠点ではスマート継続OSSシステムと連携する検査機器を導入し、さらに自動化を進めている。導入の経緯とメリットを同社の河井政昭取締役サービス部長に聞いた。

―スマート継続OSSシステムを導入したきっかけは
 「2017年4月に継続OSS申請がスタートした当時は手入力がメインで、申請時のミスを助長するような制度だった。継続OSS申請に対応する民間のシステムも出てきたが手入力しなければならない項目が残っており、導入のメリットが少なかった。自検協が開発したスマート継続OSSシステムはほぼ自動入力だったので、これなら正確な記録簿や電子保適証を作成できると考えて採用した」

 ―導入のハードルは
 「インターネット接続が可能なパソコンやタブレットがあれば導入できる点でハードルは低いと感じた。また、初期費用不要なので全店舗( 16店舗)に導入しやすかった」

 ―正確な情報を取り込むことができると実感したことは
 「手書きの頃はヒューマンエラーを防ぎきれずに行政から注意を受けることもあった。現在は国土交通省の車検証データや新旧自賠責保険データが自動入力されるので記録簿や電子保適証の不備がなくなった。」

 ―検査員の負担軽減にも
 「手書きからデジタルに変わることに抵抗感を持つ検査員もいたが、簡単に正確な書類を作成できることからすぐに受け入れられた。1台当たりの検査にかかる時間は実際の検査と書類チェックを合わせて約30分短縮することができた。作業効率が上がったことで検査員の残業時間も大幅に削減された」
 「通常業務が落ち着いてから検査に取りかかることが多く、定時以降に作業を始めることもあったが、検査から申請まで短時間で済ませることができるようになり、業務の合間に対応できるようになった」

 ―今後の方針は
 「16店舗のうち、入庫台数が多い泉北南店と河内長野店の2拠点はスマート継続OSSシステムと連携する検査機器を導入している。今後、連携機器を増やし、さらに自動化を進めたい。また、誰でも簡単に書類作成ができることを生かして定年後の検査員など人材活用にもつなげていきたいと考えている」

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